昼過ぎになってようやく起き出すと玄関の方でガタガタと音がする。
気になって玄関に向かうと郵便受けにコトンと何かが入れられた音する。
慌ててドアを開けて周囲を見回すが人の気配はなかった。
ただ、ドアのすぐそばに昨日までなかった植木鉢が一つ。
背丈五十センチほどのうぶ毛が生えた丸い葉っぱの見たことのない植物が植わっていた。
隣人が買った物だろうか?
そんなことよりも郵便受けの中身が気になる。
郵便受けを開けてみると駄菓子のパッケージが一つ入っていた。
裏面の説明通りコップに300ミリリットルの水を入れ、
パッケージから取り出した固形入浴剤のような固まりを入れた。
(シュワワワッ)
泡をたてながらコップの中で固まりが溶け出して、無色だった水が次第にオレンジ色に染まっていく。
(ポコッ)
完全にオレンジ色になった水の表面に何かが浮かび上がって来た。
どうやら堅焼きのビスケットのようだ。
ビスケットにはやっぱり文字が書いてあった。
その文字は『が』

「また前より手の込んだ手段になってるけど……これ、どういう仕組みなんだ?」
花王の○ブを水の中に入れたらビスケットが中から出てきた。何を言ってるのか(ry
前のときのように組み立てる必要がない分には楽だが、なかなかの不思議体験ぶりに思わず首を傾げてしまう。
「最近の駄菓子は手が込んでるよなぁ……」
さくさくとビスケットを口の中に放り込みつつ一人ごちる。
なお、オレンジ色の液体は粉ジュースを水に溶かした時のようなオレンジ味でした。


さて、次の文字は果たして何になるのやら……