劇場版予告
『拳銃王』。
そのペネトレイターの活躍は、一つの『伝説』として語り継がれている。アトリ
「どこから得たのかは判らんが……大した情報網だ、と言っておこう。
確かにお前の言う通り、俺はあいつと共に戦った事がある」
生ける『伝説』の一人『双隻眼』は、彼の事をこう語った。 アトリ
「――腕は本物だ。もっとも、撃たれた相手の血を見て失神するような奴だったがな。
それでも、あの年齢であれだけの腕前を持っている奴がいるとは思っていなかったよ」
――双隻眼の口から語られた、驚くべき真実。
彼が信頼すら覚えたそのペネトレイターは――まだ年端もいかぬ少年だったという。
湧き上がる興味を抑えきれず、その少年について問う――
アトリ
「……特徴、か。ペネトレイターをやるには、少々心根が優しすぎるように思えたがな」
そう呟く彼の口元には、どこか懐かしむような微笑みがあった。
出来の悪い弟を可愛がる、兄のような優しさ。
――双隻眼が、心の信頼さえ置いた――『伝説』のペネトレイター。
アトリ
「あいつの名前……か。ああ、俺にしては珍しく覚えている」
その名は――
アトリ
「――ノビ ノビタ」
のび太
「うわああああああん!! ドーラーえーもーん〜!!」
ドラえもん
「きみはあやとりといい、射撃といい、
どうしてこうどうでもいいことに才能を発揮するんだろう」のび太
「どうでもよくないやい! ぼくは生まれた世界が間違ってたんだ。
あーあ、西部劇みたいな世界に生まれていたら、みんながぼくを認めるのになぁ」
――何気ない日常は、転がり落ちるようにして終わりを迎える―― 二人
「うわああああああああ……!!」
時空のひずみに放り込まれ、彼らがたどり着いた『閉じた世界』―― ドラえもん
「そんな!? どこでもドアが使えないなんて」
ペネトレイター
「ケッ! ガキが、ゴチャゴチャ言ってんじゃねぇ!!」
ペネトレイター
「が……な、なな……!?」
アトリ
「五月蝿いのはお前の方だ――黙れんなら、次は首を飛ばす」
トト
「大丈夫だった? 可愛らしい坊やとたぬきさん♪」
ドラえもん
「失敬な! 僕はれっきとしたネコ型ロボットだぞ!!」
アトリ
「『果て』の外から……か」
ドラえもん
「驚かないんですか?」
アトリ
「いや、驚いているさ。だが、嘘を言っているようには見えんからな」
―――― アトリ
「ち……こう数が多いと、面倒ではあるな……!!」
のび太
「アトリさんが危ない!!」
ドラえもん
「うん、判ってる! ――『ショックガン』!」
アトリ
「……不思議な銃だな。気絶するだけで、主だった怪我も無い」
のび太
「そ、それはその……」
ドラえもん
「あ、あははは……」
のび太
「嫌だ!!」
アトリ
「肩の力を抜いておけ。
冷静でありさえすれば、お前より速い者など誰も居ない。
背中……預けたぞ」