『敗北の夜明けに……』

と、いうことで。
先日届いた、泉の精拍手二つを一気に掲載しちゃいます♪

泉の精達がいる日々:『敗北の夜明けに……』

泉の精のお姉様

「あなたが勝ったら今夜一晩、私を自由にしてもいいわよ。」



泉の精のお姉様の一言に逆上せ上がった頭が高速で思考を開始する。


ボウルの中のお菓子は小さめのウイスキーボンボン
一気に食べるのならともかく一個ずつ交互に食べるのなら急激に酔うことはないだろう。
以前ならともかく今はちっこくなったお姉様は大半の力を失っている。
体格の差もあるし、勝負は互角とみてもいいはずだ。


泉の精のお姉様

「……ということでいいわね。」

アル

「その勝負、受けましょうっ!」

泉の精のお姉様

「うふふっ、威勢がいいのね。」



〜〜〜〜〜



まだ人気も少ない早朝、公園の片隅にある大樹の根元で二人の人物が話をしている。


泉の精

「で、負けたわけですね。」

アル

「……。」

泉の精

「あんなに楽しそうなお姉様を見るのは私も初めてです。
 負けたときの条件は何だったのですか?」

アル

「いや、それが……その……。」

泉の精

「いえ、言わなくてもいいです。 
 その狼狽ぶりからすると、どうせあなたにとってろくでもないことに間違いありませんから。」

アル

「……。」

泉の精

「何をさせられるのかは分かりませんが自業自得です。 
 全く同情の余地はありませんが仮にもあなたは私のマスターですので……。」

アル

「なんとかしてくれるのかっ!」

泉の精

「今日一日があなたにとって健やかであるように祈ってあげます。」

アル

「……。」

泉の精

「では、私も今日は用事がありますから。 これで失礼します。」



石畳に響く泉の精の足音が冷たく響く。


そして後ろから青年にとっては死刑囚を十三階段へと急き立てるような足音が、
またその足音の当人にとっては天国への扉へと続く階段を駆け上るような軽やかな足音が響いてくる。



振り向くと同時に小さな物体が胸に飛び込んできて思わず抱き留める。


胸の中でちっこいお姉様が顔を上げ、


泉の精のお姉様

「ねぇ、あるきゅんっ! 今日はどこに行こうかしら?」

アル

「……。」

泉の精のお姉様

「あるきゅん、どうしたの? お返事は?」

アル

「は、はい。 お姉、じゃなくて、お嬢様、お伴いたします。」

泉の精のお姉様

「なんかぎこちないけど、しかたないわね。 さぁ、行くわよ、あるきゅんっ!」



こうして不幸な青年と幸福な少女の一日が始まったのであった。

お姉様ー!?(愕然
……というか。
『お姉様が確信犯的に外見どおりの幼い口調で喋って翻弄』って、
実はこっちのプロットにはあったのですが雑記には書いてなかったはず!?(愕然
オレの思考を読み……!!??


しかし。
……やばい、想像したら可愛い(赤面笑