G戦場ヘヴンズドア

あ――
あ――
あ――、


かわいそうに
なぁ。


気づい
ちゃったん
だよなぁ。


誰も
生き急げなんて
言ってくれない
ことに。

おとーさんの強い勧めで購入した『G戦場ヘヴンズドア』。
……いい。本当に。
なんってか、オレが書こうとしてるのは漫画じゃないけれど。


腹の底から、話を書く為の『力』が湧き上がってくる。


ただし。
どちらかといえば――この作品は『劇薬』に近い。
(以下、台詞多様抜粋。ネタばれ回避されたいのであれば見ないように)

なあ。


見ろよ
この青い空
白い雲。


そして
楽しい
学校生活。


どれもこれも
君の野望を
ゆっくりと爽やかに
打ち砕いてくれる
ことだろう。




君にこれから
必要なのは
絶望と焦燥感。


何も知らずに
生きていけたら
こんなに楽な
ことはないのに。




それでも
来るか、


君は
こっちに。

読むたびに、まるで心を彫刻刀で刻むようにして言葉が染み込んでいく。
決して安らかなものじゃない。
それでも、手が止められない。
展開を知っていても、次の言葉が判っていても。


読む手を、止めることが、出来ない。

アタックっ
てさ。


派手だけど
意外と簡単
なんだよね。


自分だけが
気持ちいいこと
やってたら、


試合には
なんないよ。


鉄男のトスは
打ちやすかった
だろう?

そして。
この作品の作者は、随分と優しいと思う。

君達は、
このままでは
すぐにわからなく
なるだろう。


自分は何が
描きたいのか、
何が面白い
マンガなのか、


自分らしくない
何かを見つけるのに
必死になるだろう。


だがそれは
無駄なこと
だ。


無駄な
個性など
いらない。


君達は
君達にしか
なれない。




君達が描く
必然が無い
マンガなど
いらない。




マンガは
練習する
もんじゃ
ない。


覚醒する
ものだ。




己に
抗った者は、


いつか
破綻する。

こんな事は。
誰も、言ってくれない。


教えてもくれない。


普通は。


出来ない人間が、勝手に堕ちていくのを。
見下ろすだけ。
それだけ。

それでも
私はマンガと
関わって
いたいのよ。




これでも私は、
自分が本物では
ないことの自覚に
誇りを持って
いるの。


この世界は
力の無さを
嘆くヒマも、
自己弁護する
余裕もないわ。




いい?
これは仕事。


本気で
うそをつく
仕事なのよ。




あなたの
描くうそは、
誰かがお金を
払ってでも
騙されたい
ものかしら?

作ることの恐ろしさが、凝縮されたマンガだと思う。
甘さなんて、微塵も無い。


それでも。
全三巻。
読み終わった時の――この、狂おしいまでの胸の熱くなる感覚。


一生、この修羅のような創作業からは離れられそうにない。