さて、お待ちかね。
投稿SSのご開帳ッ!


まずは東方連撃夢の人から。
東方拍手・EX的なギャグタッチSSです。


その題名は――『絶対王権遊戯』


もう、この時点で気づいた方は気づくと思いますが(ぁ
さらに、登場人物紹介っ。

この面子で面白くないわけない!
というか、面白かったですハイ(笑


ってことで、いい加減長い前置きはストップして。
後は本編をお楽しみあれ――

『絶対王権遊戯』

王様ゲーム
人数分の割り箸などに、数字と王様のマークを書き、それぞれが取る。
王は数字を指定し、好きな内容の命令を出すことができるという、宴会でのお約束的なゲームである。
そこそこ微笑ましかったり、逆に洒落にならなくなったりもするが…そこはまぁ、それである。
同じ阿呆なら踊らにゃソンソンってことで。


「…というわけで、いい機会ですし一回やってみましょうぜ」
「どういう訳ですか」
 そばで飲んでいる新キャラさん(仮)がつっこんでくるがとりあえず無視。
 周囲には面白い人材、そして程よく酒も回っている。ならやって損はないってモンでしょ。
「まぁ、いい暇つぶしにはなるかな」
「そーねー♪」
 まず賛同者二名。ありがとうパパラッチ夫妻さん。今度なんか連撃考えます。
「ふみ、いいんじゃないの?」
「…碌なこと命令されそうにないけどね」
「目に余るものの場合なら私が止めればいいだけだろう」
 おお、なんと限定付きではあるものの、慧音さんまで参加してくれるとは。
 これで人数は俺こと連と新キャラさん(仮)、アルさんに萃香さん、慧音さんにパパラッチ夫妻で計7人。
 つつがなく王様ゲームが楽しめそうである。
「それじゃ準備準備ーっと♪」
 ぺきぺきと割り箸を折って、ちょちょちょと数字を書き込んでいく。
 一本には赤ペンで王冠マーク。これが王様印である。
「…めっちゃくちゃ楽しそうだな」
「ああいうの好きみたいですからね、ネタに生きる人間なだけに」
 新キャラさん(仮)、失敬な。俺はただ面白いことが大好きなだけですぞ?

○第一戦


 かくして覆いが掛けられたコップの中に、先の見えない箸が七本用意された。
 覗かないようにがしゃがしゃと揺さぶってシャッフルする。
「さーてっと…んじゃ、各自抜いていってくださいなー」
 俺の号令とともに、各自一本ずつ箸を取っていく。
 俺もその中に混じって一本を引き、その先の数字を検める。
(………ウソだろ?)
 見事に王冠が書かれていた。誓っていうがイカサマはやってない。
 しかし、これは考えようによってはこれ以上ない幸運だ。
 通常王様ゲームは一回目の命令に強く左右される。
 腕立て伏せ百回とかなら体育会系の命令が、買い物とかならパシリ系と系統がある程度決められるのだ。
 …ふっふっふ! その権利を得た俺はなんと強運の持ち主だろうか!
 おっとっと、自画自賛は止めとこう。とりあえず宣言せねば。
「はい、いいだしっぺで悪いけど俺が王様ですー」
「…禄でもない命令が来そうで嫌ですね」
「俺も同意…なんか連撃のターゲット役になれとか言い出しそうだな」
 パパラッチさん、甘い。甘すぎ!それこそガムシロジョッキほど甘いですよ!!
「では、最初の命令はー…」


「4番が7番をぎゅーっと抱きしめる!」


 全員がすってんとコケた。意外とソフトであったのが驚きなのだろう。
 …しかし、これは俺の深遠なネタ作戦の布石なのだ!
 誓ってもいい、絶対に面白いことになる…筈!
「はいはい、四番は私ね♪ さて、私に抱きしめられる幸せものは誰かしら〜?」
 ふむ、ミスティアさんが抱きしめる方か。で、抱きしめられる方は?
「えーっと…俺なんですけど……」
 おずおずと手を上げるアルさん。その手の箸には大きく7と書かれていた。
 …こ、これはなんか予想外に楽しくなるか!?
「きゃー! アルキュン〜〜〜〜〜っ♪」
「むわわっ!? ちょ、ミスティアさん、くるしっ……!」
 おお、見事に胸元に顔埋めちゃってるな。ミスティアさん気をつけろー。
 下手するとそのショタワンコさん、窒息死しますよ?
 で、パパラッチさんの方を見ると…うむ、やっぱり微妙に複雑な表情をしている。
 それを見ている慧音さんも同じく複雑な顔。しめしめ…たくらみは成功か?
「はいそこまでー。ミスティアさんブレイクブレイク!」
「あら残念ねぇ。もうちょっとぎゅってしててもよかったのに〜♪」
 しぶしぶ離れるミスティアさん。対するアルさんは真っ赤に顔を染めている。
 …うむ、照れ屋なショタっ子。これこそまさに美味しい絵だ。額に入れて飾ってみたいねぇ…
「じゃ、箸を戻して…第二戦と行きますかー」
 全員が箸をコップに戻していく…が、その表情が先ほどと若干違うのが見て取れた。
 最初はお遊び…って気分だったのが、これで火がついたのか全員それなりにマジな目でシャッフルされる箸を見つめている。
 …くっくっく、面白くなりそうだぜぃ。

○第2戦


「ふみゅ、私が王様だよー」
 おや、次は萃香さんだったか。俺の予想では普通の命令が来ると踏んでるんだが…
 しばし腕を組んで『うーん』とうなったあと…口を開いた萃香さんの第一声は


「4番は私のお酒をぐいっと飲む〜」


 だった。周囲の人々はほっとしつつも、自分ではないと宣言していく。
 …脂汗を垂れ流している、俺を除いて。
 いや、ちょっと待ってくださいマジで。俺酒飲めないんですけど!?
「ふみ、四番いないのー?」
 あのー! 俺マジで酒弱くてちょっとで真っ赤になるうえに気分も変になるんですが!
「…観念したほうがいいですよ」
 新キャラさんが箸を掲げながらそう言った。残ったのは俺一人。
「自動的に四番がわかったみたいだなぁ…」
「そのようだな…連くんには悪いが、ここは呑むしかないだろう」
 アルさんに慧音さん、あんたら微妙に鬼ですか。まぁ、鬼は既に一人同席してるけどさ。
 …とはいっても、王様ゲームの鉄則『王の命令は絶対』は決して違反してはいけないものだ。
 言い出しっぺの俺が逃げるわけには…!
「わかった! 呑むけど…一気は無理だぞ! マジで駄目なんだから…」
「了解〜。手加減してコップいっぱいでいいよ〜」
 そういいながら、コップになみなみと伊吹箪から酒を注ぐ萃香さん。
 …うーわー。これでノックダウンしなきゃいいけど。
「「のーめ♪ のーめ♪ のーめ♪」」
 囃し立ててくる約二名、意識保ってたら覚えてろよー!!
 そう心の中で悪態をつきながら、えいやっとコップに口をつける。
 一口、二口。喉に流れ込むと同時にかーっと喉元が熱くなる。
 正直なところ、かなりきついが酒の良さもあってか、何とか飲み干せそうだ。
 ちびちびと飲みつづけ…ようやくコップを空にした。
「ぷはぁ…けほ。な、なんとかのめましたぁ…」
 あ、やば。顔赤くなってきたかも。ってか暑っ!!
「ご苦労様〜。いいのみっぷりだったよ〜」
 みんなが拍手をしてくれる。悪い気はしないんだが…
 頭がくらくらしてくる。みょーに腹が立ってきた。ううむ、これが酒&萃香パゥワーか?
 …よし、この恨み、晴らさでおくべきかー!(理由無き逆恨み)

○第三戦


「きゃ〜! 今度は私が王様よ〜♪」
 ネクストキングミスティアさん。何を命令されるのか・・・
 …といいたいところだが、実は若干読めなくもないのである。ふふん。
 さっき俺が命令した内容。さらにそれをやった当事者であるミスティアさん。
 この二つを統合すれば、おのずと答えは、


「2番は思い人の事をたっぷり語って、最後に愛の告白をしなさい〜♪」


 …これっぽい感じになる、とは思ったけど凄すぎじゃないですかミスティアさん!?
 まぁ2番は俺じゃないからいいけどさ。
「……おいちょっと待てミスティア
 おや、パパラッチさんがなんか抗議を…って、まさか!?
「何かしら〜?」
「お前何かイカサマしなかったか? ってかしただろお願いだからしたって言ってくれっ!!」
 パパラッチさんの握り締めている箸、そこには間違いなく2と書かれていた。
 …く、ははははは!! これは傑作だ! 大いにのろけてもらおうじゃないか!!!
 見ると慧音さんは聞く体勢に入ってるし、アルさんもメモ用意。
 萃香さんは酒を片手に高みの見物を決定しているご様子。
 夫妻以外全員が、ことの成り行きを見守る所存なのは明白だった。まぁ、俺もだけどねー。
「あらあなただったの? じゃ、たっくさん私のこと言って〜♪」
「無茶いうなっ! 出来るかこんな人目の多い場所でっ!!」
 あ、パパラッチさん半分くらい泣き入ってる。同情するけど…うう、見てて楽しい!
「…王様の命令は絶対、ですよ」
 ぽそっと呟く新キャラさん(仮)。石化するパパラッチさん。うむ、グッジョブ。
 パパラッチさんは顔を赤く染めながら、がじがじと頭を掻いている。
 どうにも心が決まらないご様子だ。そこに最後の宣告が下された!
「あなた…私のこと、どうとも思ってないの…?」
 …ミスティアさんヤバイです。それマジでやばいです。微妙に声音変えて寂しげにいってるし!
 これで何も感じないんじゃ男じゃないっ!!
「ああもうっ!! わかったよいえばいいんだろいえばっ!!」
 ようやく腹が決まったのか、立ち上がりミスティアを真っ直ぐ見つめるパパラッチさん。
 ややあって、パパラッチさんはゆっくりと口を開いた…


〜青年告白中〜


 言霊というものがある。難しいことは忘れたが、言葉には力があるということだったか。
 それが真実だとはそれなりには思ってたが…まさか、ダメージがマジであるとは思わなかったぞ!!
「あなたっ!」
ミスティア……」
 ひしっと抱きしめあうご夫婦。そして周辺では死屍累々と転がる皆さん。
 …あー、口から砂が吐けそうだ。それこそ滝のように。甘々過ぎて。
「こ、これほどまでとは思わなかったな…」
 聞いていた慧音さんも真っ赤だ。それほどまでにアレはやばかった。
 別に悪意はないのだが、いろいろと何かを守るために記憶を閉ざそうと俺の精神が動いているのが分かる。
 …あー、なんか魂っぽいものが出そうだ。
「ひゅーひゅー♪ お熱いねぇ♪」
 …萃香さん、この状況で囃せるあなたを尊敬します。マジで。

○第4戦


「おや、今回は私のようだな。どうしたものか…」
 四回目の王様は慧音さん。やれやれ、一息つけるか…
 慧音さんはそうそうそれ系に走る事もないだろうしなー。


「3番には…歌を歌ってもらおうか」


 ほら、こんな感じにかわいいの。これならダメージは少ないかな。
 とりあえず三番は俺じゃないのでOK。
 ひょいひょいとパパラッチ夫妻や萃香さんも箸を戻していく。戻さないのは…
「………」
「アル、もしかして…三番はお前か?」
 その言葉に、こくんと頷くアルさん。
 うーわー…以心伝心ってこんな感じのことを言うのかな。
「お、俺歌える歌なんてないよ!?」
「別にいいんじゃねーですか何でも。童謡とかでいいんでは?」
「そ、そっか。じゃあ適当に…」
 そうやってアルさんは、俺も聞いたことのある古い歌を歌い始めた。
 鯛焼きが逃げて泳いで…とかいう内容の。俺もよく歌ったなー。
 ちょっと赤くなりながら歌うアルさん。見てて微笑ましい光景、なんだが…
「………」
 慧音さん、そんな微妙に熱っぽい目でみんといてください。
 そりゃ惚れた相手ってのはわからんでもないんですけど。
 ついでにいえばアルさんも尻尾が微妙に歌にあわせて揺れてたりするし。
 これがまた見てて可愛いからショタの気のない俺でも…って、何を言ってマスカ俺は!?
「…はぁ、あー! 恥ずかしかった!!」
「いや、そんな事はない。素晴らしかったぞアル」
「そ、そうかな…?」
 歌い終わったアルさんを労う慧音さん。やったら声を掛けづらいんですけど。
 なんというか…二人のオーラフィールド展開中?
 …………ちぇ、見せ付けてくれるなぁ。一息つけたかと思ったのに。

○第5戦


「くっくっくっくっく…」
「な、なんか笑ってるんですけど」
「あぁ…間違いなく来たな。アイツにアレが」
 その通り! 我、復讐のとき来たれり! 小玉西瓜め覚悟しろ!
 はてさて、一体どんな命令を出せばダメージを与えられるか…
 しばしの思案の後、天啓ともいうべき事が頭に閃いた。
 俺もダメージを負う諸刃の剣だが、やる価値はきっとあると思う!!!
 ずびしっと俺は勢いよく立ち上がり、声高らかに宣言した。


「手加減なしだ!! 6番は裸Yシャツになれっ!!」


 言ったッ!! 言ってやったぞッ!!!!
 ふふふ…これで萃香に当たったら『やーいぺたん子!』と言ってやるッ!!
 仮にアルさん、パパラッチさんだったとしても大して問題はなし! この作戦は完璧だッ!!!
 その他女性陣に微妙に冷ややかな目で見られてるが、酔ってると言い切ればオールオッケー!!
 さぁ来い萃香っ!! 目に物見せて…
「ふみ〜、私は3番〜」
 あれ?
「俺は5番…よ、よかったぁ…」
 おや?
「4番。危うく再起不能になるところだったな…」
「残念ねぇ…あ、私は1番よ〜」
 いや、ちょっと待ってください。
「私も大丈夫だ。2番だからな」
 ……ってことは。
「…うふ、うふふふふふふふ」
「ひ、ヒィィィィィィィッ!?」
 おこってます。めちゃくちゃおこってらっしゃいます。
 頭にでっかい四つ菱の怒りマークが三個くらい浮かんでます。マジで。
「いや待って●●さん! 別に狙ったわけじゃなくてあのその!!」
「いえ、いいんですよ? 別に私以外の人に当たる可能性もあったわけですから…ふふ」
 …笑うのなら目も笑ってください。顔だけじゃ怖いです。ってか泣きます。
 いい年の男が泣くのって、みっともないんだぞー。


「…うう、少しすーすーしますね…」
 しばらくの後、几帳面に完全裸Yシャツで新キャラさん(仮)、登場。
 別に下着くらい着てもいいのに…妙なところで生真面目だなぁ。らしいといえばらしいけど。
 …あ、アルさんが鼻押さえてら。さすがに刺激が強いか…おー、慧音さんが介抱してら。
 しかし…しかしだ! 俺の本来の目的は萃香であって他の人はノー眼中!
 …だった筈なのに…畜生ッ! 不覚にもこの方に萌えちゃってますっ!!
 ああ、ありがとうどっかの神の声。俺この後死んでもOKだよ…
「うふ、うふふふふふ…さぁ、続きをしましょう?」
 いやどっちかっていうと殺されるかな。主に俺の横の人に。

○第6戦


「おや、今度は俺か…」
 王様イズパパラッチさん。すでに場は混沌で、どんな命令が飛び出すかも分からない。
 パパラッチさんだから、カメラとか絡んできそうだけど…


「1番はセクシーポーズを取れ。んで、俺に撮られるんだ」


 なんか妙な方向性キターーーーーーーーーーー!!
 酔ってる? 酔ってます!?
 がくがく震えながら箸の先を見る。4番。OK、生き残った。
「……………」
 ぶるぶる震えないでくださいミスティアさん。いや、マジで。
 微妙にオーラが漂ってるんですけど…って、ちょっと待て!?
「あなたぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! 私を撮ってぇぇぇぇぇぇっ♪」
「うどわぁっ!? またお前かっ!!」
 …どうやらそのようですな。ミスティアさんが放り投げた箸の先にはきちんと1って書いてあるし。
 ………あー。今度は溶けなきゃいいけど、俺。


〜青年激写中〜


 あれ? なんでだろう、眼から水が出てくるよ? 塩水が…あれ?
 ああ、世界が…世界が白い光に包まれていく…みんなが…消えていくよ…
「ああん、あなたってば激しすぎ♪」
「言うなよ…」
 俺たち全員ゲル化させるつもりですかお二方。
 アルさんは鼻血が出して、慧音さんが介抱中。
 萃香も赤くなりつつぐびぐびと瓢箪から直で酒を飲み、横の新キャラさん(仮)は真っ赤になってうつむいている。
 …元気なのは貴方がただけですよ。史上最強の惚気夫婦め。

○第7戦


「うふふふふふふふ…」
 ああ、よりによって一番引いてほしくない人に…
 全員の目が俺と新キャラさん(仮)に集中している。
 …そう、今回の王様は新キャラさん(仮)。はっきりいって脂汗が止まらない。
 まさかピンポイントで俺に来るとは思わないけど…


「命令です。2番は…」


 俺かよ!! ってかなんかやってないですかアナタ!?


「5番と腕相撲をしてください」
「みゅ、5番私〜♪」


ち ょ っ と 待 て 。






「レディー………ゴー!!」


ボキンッ


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁァァァァァァァァァァァァッ!!??!!??」




―教訓 悪事は己が身に帰る。

あははははははは(略)ははは(略)はははは!!
なんというか……連撃夢の方、GJ!
貴方はエンターテイメントの何たるかを本能的に察知してますね!?(笑
やっぱ執筆者本人がこういうオチに転がるのは……あはは、オレも作者で慣れてます_| ̄|●|||


というか、連撃夢さん、マジで面白かったんですけど(笑
ひょっとして、文章書きをされたことがあるんでしょうか?
展開の運びがスピーディかつハイパワーで、面白かったです♪
いやぁ……いいもの見させていただきました……ありがとうございましたw


でもって、何処でもパパラッチ夫妻は惚気るんですね(笑
このSSで、オレの特別編を含め、題材に取り上げられたこと二回目おめでとう&
幻想郷一の惚気夫婦認定おめでとうごzすきまー!?(しゅいいん