昨日、兄貴の知り合いの方に「ペネトレイター」を読んでもらった。
元々兄貴の『目の鋭さ』には、今の自分に成長するに当たって御の字一つであって、
どんな指摘があろうとも逃さず、抵抗せずに受け止めてから考えを巡らせることにしているくらい、信用している。


その兄貴が、作品の鑑定において絶大な信頼を置いている人である。
以前メッセでも軽く話したことがあり、その存在は知っていた。


そして、三十分後。
出て来る出て来る「『ペネトレイター』の短所」。


それは、オレが「自分の持ち味」と称して、なかなか向かい合うことをしない部分であり。
自分で、改善しなければとわかっていながら――それを思わず、ためらってしまう場所。


そこを容赦ないほど的確に見取り、ざくざくっと切り払っていった。


オレも、読み手・受け手としてはそこそこに長い。
だから、なんとか『弱点』を見つけようと躍起になっている人の言葉と、
客観的な視野からずばずばと『指摘』していく人の言葉に判別ぐらいはつく。


この人の言葉は間違いなく後者だ。
しかも、何よりしっかりと理屈が通っている。
言葉の重みが、段違いだ。


思わず反論、という意思さえ殺ぐほどに的確だった。


その方をもって――オレの作品は、まだまだまだまだ未熟なのだと悟った。


……兄貴曰く『まだ言葉を選んでいる』との事。
オレも、正直そうだと思う。
正直、自分の対ダメージに対する脆さを情けなく思いながらも、助かっている。


やはり、自分が逃げようとした弱い部分であり、直視させられた時の衝撃は大きいけれど。
決して『耐えられない』ものでは、ない。


問題点はこれから変えていけばいい。
ペネトレイターで変えられる場所。
変えられないのであれば、今後の作品で変えていけばいい場所。


ああいう方を持ってして、その客観的な視点を崩すほどの『引き込み』が出来るようになれば。
それはきっと、最前線で戦い続ける他のプロの創作屋達に対して誇ってもいい『武器』となりうるのだろう。


何故だろう。
決して今、笑える状況などではないのに――口元が、笑っている。


次には。
必ずあの人さえ引き込むような文章を書いてみせる。
今のペネトレイターを楽しんでくれている人たちが、さらにもっと楽しめるように作品を進化させてみせる。


出来る・出来ないじゃない。
やるか、やらないか。


だったらオレは「やる」。やってみせる、絶対に。


本当、オレは読者の方には恵まれた物書きだと思う。


一朝一夕では、難しくあっても。
半年後――あるいは、一年後。


この決意が、無駄になっていないことを願う。