fate・セイバールートクリアー。
以後、いまさらネタバレも何もあったもんじゃなかろうけど感想を(笑
作品の出来とかはもういまさらなのでパス(ぇ
音と映像・エフェクトと文章の完全な融合、そして独特の文章。
十分に堪能させていただきました……こんなに集中したのは久しぶりです(笑
良作には手を合わせて。『ご馳走様でした』。


で、そういう『評価』から外れて感想に移行すると。
……なんというか……せいバーといい、士郎といい。
結局最後まで『自分のため』に在る事は出来なかったな、というのが一つ。


一昔前のオレの姿を見ているようでした。
自分の幸せよりも、他人の幸せ。
自らを勘定に入れないという考え方。
それにかつて至っていたのは、他ならない俺自身。


別に、大量虐殺の中一人生き残っていたり。
この手で、誰かを殺してみたこともない。
でも。


『王』という立場に生きた少女の考え。


思えば『作家』。
思えば『親』でもいい。
彼らは『人間』の忍耐力で、それを続けることが出来るだろうか?
出来る人間もいる。
だが、出来ない人間のほうが圧倒的に多い。


だから、親というのは既に『人』ではない。
例え、自分から生まれた子供でも――ストレスと怒りのあまり、殺してしまいそうになる。
そういう衝動は、どの親にもある。
それが『人』から起因するものであり、それを戒めるのが『親』という立場。


『人』をやりながら『親』が出来るなんて、それこそごく限られた人物。
だから、親は『人』を一時的に捨て、親であることに努める。
いつか子が巣立った後、もう一度人に戻ることを誓って。
しかし、すり減らした感情と活力は、段々と封じてきた人を磨耗させ。
結局、親であることを止めることが出来ず――それが『落ち着いた』と見られる。そういうもの。


それが見えている分。
最初から『作家』になろうとする自分に『人』という要素はいらない。
だから捨てた。
嫌いだったし、ちょうど良かった。


そんなものはどうでもいいから、作り手として。
誰かが笑ってくれるほうが、よほどうれしい――その心理に、至っていた。


それがオレの『昔』。
だから、今は違う。
今は、彼とは違う。


今のオレは、他人の幸せと同じぐらい。
自分も幸せになりたい、と考えている。


……考えられるようになった。
それを気づかせてくれる人がいた、というのが正しいかもしれない。


オレには、何も無いわけじゃない。
非常に主人公らしくなくて、残念だが――誰にもないものが、この手にはある。
だからせめて、オレは自分の過去をそのまま封殺せぬように。


この手で『両方』掴む。