2/2 後半戦行きます
昨日の拍手の後半から。
9/26 21:00
「あ、あの、困りまります。 あなたがいないと私……。」
黒のワンピースに鍔広の黒い帽子をかぶった小さな女の子が
黒いレースの手袋に包まれた手で側に立つ男のスーツの袖をそっとつかんでいる。
黒のスーツ姿、足下には一片の曇りもなく磨き向かれた革靴。
月明かりを浴びて鈍く輝く禿頭にサングラスをかけた大男が跪く。
「申し訳ありません、お嬢様。 精霊にとってはどうしても譲れない事があるのです。」
男はそう少女に告げると脱兎のごとく駆けだしていった。
「ふわははははははっ!!! 小娘どもが我が友の嫁など笑止千万。
友と添い遂げるのは我以外におらぬわっ!」
研ぎ澄まされた筋肉の槍が一直線にすきまへと突き刺さる。
9/26 22:00
(ザザッ……。 ザザッ……。)
九月も中旬に入ったというのにたっぷりと湿り気を含んだ熱い風が境内を吹き抜けていく。
鈴音
「こらっ! さぼるな。 元々、境内の掃除は桜花のお務めじゃない。
手伝ってるあたいの方が言いたい台詞よ。」桜花
「だったら着替えて少し休もうよぅ……。 ショーツもびしょびしょで気持ち悪い。
鈴音のもびしょびしょに濡れてるんでしょ?」鈴音
「境内で不穏当な事を言うなっ!」
(べしっ!)
竹箒が一閃し桜花の頭上へと舞い落ちる。
桜花
「痛っ! なにすんのよぅ……。」
嗜めてはみたものの実際にジットリと汗を吸い込んだ巫女装束は肌に張りつて動きにくかったし、
下着も汗をたっぷりと吸ってあまり気持ちのいい状態ではなかった。
「でもまぁ、一理あるわね。 水浴びでもして汗を流して着替えようか。」
桜花
「うん、そうしよ、そうしよ。」
二人の女の子が社務所の脇の細道へと向かう。
途中にある境内の脇にある絵馬の奉納所の前を通り過ぎようとしたとき……。
「あれ? なんだろ、これ。」
「どうかしたの? 普通の絵馬じゃない。」
「でも……。」
絵馬には毛筆の流れるような達筆なでこう書かれていた。
『わたしはアル
キュンの嫁』
二人の女の子は同時に絵馬に書かれた文字を読み上げる。
桜花
「わたしはアル キュンの嫁。」
鈴音
「わたしはアル キュンの嫁。」
桜花
「名前が『アル』で『キュン』っていう人のお嫁さんってことかな……?」
鈴音
「そんなこと書くわけないじゃない。 他に名前も日付もないわね。
悪戯やおふざけにしては達筆すぎるし、後でじっちゃんに見てもらおうか。」
公開した瞬間エロいエロいと大好評だった鈴音拍手です。
そういえば二人とも、名前を名乗ってないのでこのネタには乗ってこられないわけですね。
……問題は何であの筋肉ダルマ精霊がオレの名前を知っているか、かもしれませんが(汗
桜花のめんどくさがりっぷりがほのぼのしいですw
9/26 22:00
慧音
「お前達……私をないがしろにして、無事で済むと思うな……?」(角にょこ、シッポにょき
慧音
「全員、私が修正してくれるゥゥゥゥゥゥ!!」(Caved!!
慧音
「ふぅ……アルは私の夫だ。これだけは譲れないよ……さ、アル。帰ろう?」(元に戻って手、ぎゅ
おおう!? 予想外も予想外、まさか慧音の拍手が投下されるとは……!?
そしてこの段階で付喪神の宣言は無効! 助かった、本当助かった……。
が!
9/26 23:00
>「このまますんなり終わられては、つまらんのでな。もっとだ、もっと争え! くくく…。」
慧音の発言もまたこの拍手によって即座に無効! 速いなオイ。
ということで、またしても事態は元通りに戻ってしまいました。案外、24時間+5分の壁って厚い……。
(現在、宣言無し)