ラグナロク EX. MISFORTUNE

ラグナロク EX. MISFORTUNE (角川スニーカー文庫)

ラグナロク EX. MISFORTUNE (角川スニーカー文庫)


「ようやく――ようやくですわ。
 わたくしを辿り着かせたこと、必ず後悔させて差し上げましてよ」
「その意気だ。逆らう奴は皆殺しだぞ」


安井健太郎
オレの文章に明らかに影響を与えた物書きさんの一人であり、
小説でバトルを書くということの楽しさを教えてくれた心の恩師。
後に吉田直さんの小説に触れる事で、精緻で繊細な文章を書くことにハマり、
結果として二つの文章が融合したようなところから
一人歩きを始める形で自分らしい文章を書けるようになっていったわけですが……。


新刊が出るのは本当に久々になります。
定期的に休むからなぁ、この人……(笑


最近本が全然出ていなかった事もあってか暫く読んでいなかったのですが、
久々に手に取った新刊は『やっぱ、面白い』でした。
本編の方が殆どずるずると引き延ばされる形で収集がつかなくなっているために、
もう、ひょっとしたら文章を書くのをこのままやめるんじゃないかな……とさえ危惧していたのですが。


独特の戦闘狂な文章に加えて、文章を纏め上げる技術が格段に向上しています。
まろやかになったというか、読んでいてするすると読めるようになったというか……。
前はもう少し、アクや臭みが強いというか、抜け切れていない感じがあったので。


何はともあれ、好きだったシリーズが、パワーダウンする事無く再開してくれたのは嬉しいです。
もっとも……本編で、あのぐだぐだになってしまった展開の状態で、
EXシリーズのコンパクト&ハイパワーな力を出すのは難しいでしょうけどね。


頑張って欲しいものです。