散華想レス

ちなみに先日の拍手、途中で断念したレスはこんな具合でした。

――作業中断。選択肢データ読み込み……完了。選択肢表示。
  1. 現国かな。普通だけど、しっかり受けておこう。
  2. 体育かぁ……珍しくサボってみようかな? サボるなら屋上がいいかも。
  3. あ、自習になってる。図書館で本でも読んでくるかな……

なんというか……。

――?

先刻fateをやったばかりかも知れませんけど、冒頭の「花びら一片」が、
どうしても崩壊していくロー・アイアスを連想してしまうんですよね。
それがオレのデッドエンドルートが今後多数存在することを暗示しているように――

……。

ああっ!? 明確に眼をそらしたな畜生!?(涙
くそぅ、もうこの時点で色々くじけそうだ……_| ̄|●|||



しかしとりあえず、選択肢は選ばないと。
……迂闊に二番とか選ぶと危険な気がする。
ここは無難に平穏な一番を選択して事無きを得ようかなと――


アル

「……あれ?」


一番を選択した瞬間、何故か石碑が穂のかなピンク色に発光した。
これは一体、どういう意味なん――


「アルさんアルさん♪ 今日は昼上がりですし、終わったら皆でばーっと遊びに行きません?」



――そのとき、狙い済ましたようなタイミングで連さんが話しかけてくる。


アル

「今から遊ぶこと考えてるんですか……?」

「だって放課後から考えてたら、みんな帰っちゃうじゃないですか」



確かに……。
オレもあんまり外で遊ぶ性質じゃないし。
連さんの言う事にも一理ある。

「それにですね――今日は一限からかなり楽なスケジュールですし♪」

アル

「……え?」

「昨日センセが言ってたじゃないですか。教生の初回だって」


そういえば……。
今日から確か、教育実習生が授業を行うと言っていたのを思い出す。
初回の授業ともなれば、自己紹介ぐらいで大半の時間が潰れるだろう。


「神銘先生の知人だって聞いてますけど、どんな人なんでしょーね」

アル

「うーん……――ってはい!?」

「?」

今はっきりと、ありえない人の名前がぽろっと出てきたような――


神銘

「はいみんな席につきましょうー♪」

アル

「マジですか!?」



教室の後ろから入ってきて――監督役の先生の椅子に座ったスーツ姿の女の人。
やっぱりというかなんというか……『あの』神銘さんだ。


と、なれば。
神銘さんの知り合いっていう教育実習生の人は、間違いなく――


教育実習生

「えー……と、本日から皆さんのクラスで一ヶ月間、現代国語を教える事となりました如――って神銘!?」

神銘

「やほー、瞬〜♪」

アル

「やっぱりそうだ……」



教室に入り、教壇に立った若い男性――神銘先生の姿を見て思いっきり驚愕してるのは如月さん。
というか、まさか二人とも教師役で関わってきてるとは思わなかったぞ!?


神銘

「ふふふ、瞬……♪」

如月

「え、ちょっ、待、こんなところで――」



そして授業そっちのけで如月さんに抱きつく神銘さん。
唐突に理解する――このルートはやばい! やばすぎる!!


神銘

「服も沢山持ってきたし……見せ付けちゃうぐらいの勢いで……ね?」



アル

「全員、今すぐこの場から撤退ぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ!!」



暫くお待ち下さい




昇降口で靴を履き替える。ここで一旦慧音とはお別れだ。
慧音は三年生、アルは二年生だからである。映姫も一年生なので同じくここまでとなる。


慧音

「そ、それではな……お昼には、ま、また」

映姫

「……れ、連、それでは大人しくしてるんですよ?」


慧音も映姫さんも、何故か顔が異様に赤い。
ふと隣を見れば連さんも胸の辺りを押さえて俯いてるし……。
記憶に残っていないはずにも関わらず、オレ自身も大分と心拍数が高くなっていた。

映姫

「あの二人は少々惚気が甘すぎます……」

慧音

「う、うむ……」


去り際の一言が割と決定的だったりする。
廊下を見るとまだ復帰できてない人もいるし……なんて破壊力だ……。

「うーん……甘く見てました……」

まさか惚気であるきゅんスタンプを進呈する事になるとは……。


マジか。デッドエンドだったのかあれ……。
死因は赤面死?



目の前に生まれた選択肢。
一番を選択しようとして思いとどまる。
こういう何気ない一日にこそ、予想外のハプニングっていうのはつきものだし!


アル

「ということで、二番――
 『体育かぁ……珍しくサボってみようかな? サボるなら屋上がいいかも。』だ!」



気合を入れて宣言する。その拍子に数人振り返ったけど気にしない。
そして、オレの気迫に応えるようにして――またもピンク色に輝く選択肢。
って、また!? いや、幾らなんでもあんな事がそう何度もあるわけないよ、な……うん。



と――いう事で、一時間目から体育だったけれど。
何となく、授業に出る気分にはなれなくて……足は自然と屋上へ向う。
朝から疲れていたのもあるし、何だか先刻も妙に疲れたような気がする……気のせいだと思うんだけど。


アル

「……で、何で連さんも一緒なんですか?」

「いや、気分転k……げふげふ! もといですね。
 ほら、アルさんが授業サボるなんて珍しいじゃないですか。
 これは何か面白い事やネタがあるんじゃないかーって、俺の勘が」

アル

「人をネタ招来体質みたいな言い方しないで下さいっ!」



反論できる余地があまり思い浮かばないあたりがもう泣きそうだ。
……けど……ネタ……ネタ?


「……どうしたんすか?」

アル

「いや……何か忘れてるような気がして……」

「忘れてる……ですか?」

アル

「ええ。何と言うか、この展開この状況で、必ずいないといけない人がいないというか。
 うっかり見落としてしまうと致命的な結末が待っているものを見落としてるというか――」

「そんな、某殺すか殺されるかの愛を貫く聖杯戦争じゃないんですから。考えすぎですよ」

アル

「そうですか……そうですよね。幾らなんでも深読みしすぎですよね――」



オレ達は笑いながら、屋上への金属扉を押し開けて――


謎の女子生徒

「あ・な・たぁぁ〜♪」



――連さん。唐突に今気付いた事があるんですよ――
――奇遇っすねアルさん、俺も同じ事に気付きましたよ――



交わす意思に言葉は無い。
互いに向かい合った、爽やかな笑顔。
――引き攣った笑顔が、全てを物語っている――


謎の男子生徒

「よし、大体の調整も終わった……なら後は、
 実践を重ねて写り具合の微調整といこうじゃないか――!!」



――『惚気』といえば、やっぱりこの二人ですよね――
――気付かない俺達のほうがむしろギルティ?――
――うっわぁ、罪だとしたらオレ達後で映姫さんに後で裁かれそうですね――
――しかも彼岸花かもしれませんよ? まったくネタ師は大変ですな――
――まったくですよ、はっはっはっはっは――
――あはははは、はははは――




――ちなみにこれ、マイクです。次は連さんどうぞ――
――ええ、了解しました――


謎のミスティア・ローレライ

文花帖で出られなかった分、たっぷりお願いね♪」

謎の東方パパラッチ

「ああ――メモリの許す限りまでたっぷりといくぞ――写法!!」

「総員退避ィィィィィィィィィィィィィッ!!」




青年激写中
〜しばらくお待ち下さい〜



昇降口で靴を履き替える。ここで一旦慧音とはお別れだ。
慧音は三年生、アルは二年生だからである。映姫も一年生なので同じくここまでとなる。


慧音

「………………」

映姫

「………………」



慧音も映姫さんも、耳の先どころか全身真っ赤になって俯いている。
連さんにいたっては砂を吐きながら気絶している有様だ。
というか……全校生徒の殆どがそこここに死屍累々と……何たる破壊力……。
……ああ、オレも気を抜くととっても広い川の前で小町さんがせくしーな格好を……ゴフッ!!


あるきゅんスタンプを進呈して……お……グフッ!!


あ、声も死んだ。



選択肢、二番を選択しようとして本能が全力で拒絶した。
なので、三番を選択することにする。


選択肢、選択完了……。


ああ……オレの、平穏な日々……いずこに……_| ̄|●|||