折り取られた天狗の鼻

安っぽい天狗の鼻を折られました。
実に二年ぶりのことです。


二年前を思い出します。
あの時は兄貴。
しょっばなに送られてきたメールは、結構容赦ありませんでした。
思わず筆が止まってしまうほど。


しかし、その言葉が痛いのは――言われたことが事実だから。
当時の文章を読み返すと痛感します。


掛けられる言葉からの「痛み」。
こちらをおとしめてやろうという悪意からのものなら、無視しています。
反骨精神でそれさえも創作の炉の活力にするという手もありますが、
生憎そこまで燃料には困ってません。


けれど痛みが、的確に「弱点」を突いているなら。
まったく自覚していないもの。
巧みに隠し、読者に気取られぬようしてきたもの。
そこを衝かれる痛み。


どれだけ頭で理解していても、弱みを突かれるのは辛い。
即座に感謝を抱くのは難しい。
それが判っているから、普通は踏み込まない他人の領域。
土足で踏み込む禁忌を犯して、相手の痛みも承知の上で。
それでも、言の刄を抜き放ち、突き込んでくれるのは。


そこまでするだけの価値を、自分のなかに見出だしてくれているから。


「愛」のある言葉。
忘れてはいけない痛み。


「実力以上のプライド」。
ならばその誇りが相応となるその時まで、裸一貫であった頃へ戻ろう。
もともと、誰かの上に立って映える柄じゃない。
ただの、一介の新参者でしか無かった頃の自分へ。


そうして――さらにオレは前へと。
新たなる挑戦の時。


今は、届かなくとも。
今がずっと続くものだとは思うなよ……!


新しい風をこの胸に感じる。
さあ――執筆を始めようか!!